研究課題
免疫・分子生物学的手法により脾臓を補助肝臓およびサイトカイン・増殖因子産生工場として作り変えることを目指す。本年度は脾リンパ組織を破壊することを目的として、C57/BL/6マウスに抗CD20抗体20μgを腹腔内投与しB cell zoneであるLynphoid follicleを破壊する群、抗CD4抗体25μgを腹腔内投与しT cell zoneであるPeriarteriolar lymphoid shathを破壊する群、抗CD20抗体20μgおよび、抗CD4抗体25μgを同時に腹腔内投与する群、非投与群を作成し4日後に脾臓を摘出し移植細胞が生着する環境が作成できているか検討をおこなった。CD4PE抗体、CD19PE抗体、B220PE抗体によるFACS解析において、抗CD4抗体投与群では抗CD4PE抗体陽性脾細胞1.9×10^6/ml(コントロール236×10^6/ml)抗CD20抗体投与群では抗CD19PE抗体陽性脾細胞11.5×10^6/ml(コントロール群49.6×10^6/ml)、抗B220PE抗体陽性脾細胞32.7×10^6/ml(コントロール群103.5×10^6/ml)と著明に減少しており、抗CD4抗体、抗CD20抗体同時投与群においても同様に減少していた。これらより同投与方法にて抗CD4抗体、抗CD20抗体投与によって脾臓B cell zoneおよびT cell zoneの破壊が可能と考えられたが、抗CD20抗体投与量についてはさらなる検討が必要と考えられた。