研究課題
免疫・分子生物学的手法により脾臓を補助肝臓およびサイトカイン・増殖因子産生工場として作り変えることを目指し研究を行なっている。C57/BL/6マウスに抗CD20抗体20μgおよびCD4抗体25μgを腹腔内投与しB cell zoneであるLynphoid follicle、T cell zoneであるPeriarteriolar lymphoid shathを破壊し脾臓に移殖肝細胞が生着する環境を作成した。CD4PE抗体、CD19PE抗体、B220PE抗体によるFACS解析において、抗CD4抗体、抗CD20抗体投与によって脾臓B cell zoneおよびT cell zoneの破壊を確認しておいた。移殖肝細胞はC57/BL/6マウスをドナーとし肝臓よりコラゲナーゼ灌流法にて肝細胞を分離し、上記前処置を行ったレシピエントマウスを小開腹し脾臓を露出、肝細胞1-4×10^6個を下極より26ゲージ針を用い注入し移殖した。肝細胞移殖後1週間目にレシピエント脾臓を摘出し肝細胞の生着を評価した。PAS染色においてレシピエント脾臓内にわずかではあるがPAS陽性の肝細胞の存在を確認し生着を確認することができた。移殖後1週間の時点で移殖肝細胞が生着していることを確認できたが、今後更に工夫を重ね生着率を高め長期間での肝細胞の生着の評価、肝細胞機能評価を行い、薬剤誘導性障害肝モデルへの移殖へ移行する予定である。