研究課題/領域番号 |
18659409
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
西田 博 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50147427)
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研究分担者 |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
横山 昌幸 (財)神奈川科学技術アカデミー, 研究員 (20220577)
村上 義彦 (財)神奈川科学技術アカデミー, 研究員 (00339748)
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キーワード | 止血剤 / 組織接着性 / ハイドロゲル / 高分子ミセル / ブロックポリマー / バイオマテリアル |
研究概要 |
外科手術の際には、組織の接着や確実な止血が極めて重要となる。しかし近年の外科手術は高度化し、より迅速な作業が求められているため、伝統的な圧迫止血や縫合止血法を用いる限り限界が生じる。現在は、血液凝固の最終段階の原理を利用するフィブリン系止血材や、アルブミンやゼラチンをグルタルアルデヒドやホルマリンで架橋するゼラチン/アルデヒド系止血材等の、生体由来物質を含む止血材が主に用いられている。しかしヒト由来物質を用いる限り、エイズや肝炎ウィルス等の感染の危険性が高く、動物由来物質を用いる場合は、異種タンパク質に対するアナフィラキシーショックや狂牛病等の感染の危険性が生じる。また、グルタルアルデヒドやホルマリンの様な低分子架橋剤は、組織に浸透して組織障害を生じる。そのため、非生体由来物質のみを用い、組織浸透性が低い止血材の開発が急務であると言える。そこで本研究では、ブロックポリマーが自発的に形成するナノ集合体である「高分子ミセル」に着目し、表面にアルデヒド基を有する高分子ミセル、側鎖にアミノ基を有する高分子、及び生体組織表面がシッフ塩基を介して形成する新しい組織接着性ゲルを開発し、止血材として応用することを目的とする。 本年度は、アセタール基を持っ開始剤を用いて、親水部としてエチレンオキサイドを重合したポリエチレングリコール、疎水部としてラクチドを重合したポリ乳酸という二重構造を有する末端アセタール化ブロックポリマーを合成した。真空条件、モノマー溶液採取及び添加法、撹拌条件、重合反応時間等の諸因子を変化させ、それらがブロックポリマーの特性に及ぼす影響を明らかにした。さらに、様々な条件下において、ブロックポリマーが形成する高分子ミセル及びポリアミン類を混合することによって、組織接着性ゲルを形成する最適な条件を明らかにした。
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