研究課題/領域番号 |
18659414
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 明夫 東京大学, 医学部・附属病院, 医員 (60302725)
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研究分担者 |
田中 実 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50332581)
鎌田 恭輔 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80372374)
稲生 靖 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (50372371)
松本 洋一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60111473)
梅村 晋一郎 京都大学, 医学部, 教授 (20402787)
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キーワード | 超音波 / ドラグデリバリーシステム / 悪性脳腫瘍 / マイクロバブル / 医工連携 |
研究概要 |
本研究では脳腫瘍等の頭蓋内疾患の治療に用いることの高収束超音波治療(以下HIFU)システムの開発を行った。頭蓋内疾患の治療を行うためにどのような方法が最良であるか、また超音波増感剤の開発は可能であるかの追求を行った。本研究で行ったのはラットの経頭蓋HIFU治療では脳表のごく一部のみが熱凝固を受け、頭蓋骨をはずすことによってかなり深部まで脳の凝固変性が可能であることをしました。さらに大型動物施設において豚の経頭蓋および頭蓋をはずし硬膜上からのHIFU凝固をROBOTICHIFU照射システムを用いて行った。経頭蓋照射では全く変化は認められなかった。一方硬膜上からの照射が今後のHIFU治療の基本となると考え、超音波診断装置により画像化された頭蓋内構造物とそれをターゲットとしたHIFU治療を行った。しかし通常肝臓に凝固巣を作成できる強度のHIFU照射では脳内に凝固を作ることができなかった。これは脳がかなりの血流をゆうし冷却効果が働くためかもしれない。今後脳実質内に凝固巣を作成できる強度と条件、さらに脳にHIFUを行うための装置の改良が重要であることが判明した。 今回ナノ粒子を用いた超音波増感剤の開発が進行せず、動物実験に用いることの出来る薬剤が開発できなかった。したがってナノモレキュールを用いた経頭蓋HIFU治療の開発は今後のテーマとなった。 超音波は低侵襲で診断・治療が可能な技術である。脳神経領域は頭蓋骨で囲まれた特殊性、さらに今回の研究で判明した血流による効果減弱の可能性等、特殊な条件がある。このような領域で超音波を用いた治療システムを開発することは脳神経外科医の積極的関与が重要である。
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