研究課題/領域番号 |
18659419
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
|
研究分担者 |
滝 和郎 三重大学, 医学部, 教授 (70144368)
外波 弘之 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (90420405)
|
キーワード | カバードステント / エレクトロスピニング / 動脈瘤 / ナノファイバー / バルーンカテーテル / ウサギ / エラスターゼ |
研究概要 |
自作したエレクトロスピニング装置を用いて自作ステントに各種高分子材料のエレクトロスピニングを行いカバードステントの作成を行った。定性的な評価であるが、バルーンカテーテルを用いたステント拡張時の繊維の断裂の有無、また、滅菌時の繊維の劣化などを検討したところ、ポリウレタンが検討した高分子材料中ではもっともバランスよく要求性能を満たしていた。ポリビニルアルコール製ハイドロゲルチューブの壁に直径2mmの穴をあけ、さらに、60cmH_2Oの圧をかけてカバードステントのin vitro評価系を作成した。このチューブ内にカバードステントを留置し、水漏れの量を測ることでナノファイバーのカバーの漏水防止効果を判定した。ステント当り約0.2mgのポリウレタンナノファイバーをエレクトロスピニングしたステントを留置することで、ほぼ完全に水の側孔からの水の流出を防止できた。また、60cmH_2Oの圧を2日間かけていてもわずかな漏水しか認めずカバードステントの留置で動脈瘤の治療の可能性を示唆する結果であった。5匹のウサギの頚動脈にエラスターゼ法にて動脈瘤モデルを作成した。大腿動脈からバルーンカテーテルを挿入し、この動脈瘤部位までカバードステントを上げた後、バルーンを拡張しカバードステントを留置した。ステント留置直後、2日また10日後に血管撮影を行った。ステントの留置場所のズレで、若干動脈瘤がフォローアップ血管撮影で観察されることもあったが、望んだ位置にステント留置できた場合は動脈瘤内への造影剤の流入を完全に阻止できた。10日後の血管撮影の後にステントを血管と共に取り出し内面を観察したところ、ステントのストラッド上に血管内皮細胞と思われる細胞が存在し、早くも治癒過程が進んでいた。
|