研究概要 |
セロトニンは平滑筋を直接的に収縮および内皮を介して拡張させる。血管収縮には5-HT_<2A>と、5-HT_<1B>、5-HT_<1D>受容体が関係しているが、血管部位や動物の種により大きな差異がある。脳においてセロトニンは神経から拡散し、血管平滑筋には血液脳関門を介さずに到達し、脳血管や冠血管の血管攣縮あるいはその持続に影響すると考えられている。多くのセロトニン受容体サブタイプとそれぞれの作動薬および拮抗薬が見出されているが、脳血管系におけるセロトニンの意義には未解決な点が多い。今回セロトニン非存在下とセロトニン存在下の両者での塩酸サルポグレラートの血管反応を調べることを目的とした。 Wister rat(n=8)とNew Zealand white rabbit(n=11)の上小脳動脈および後大脳動脈から直径100-200μm、長さ3mmの血管を剥離し、Vessel Chamber(CH/2/A)に設定し、顕微鏡下で、Pressure Servo Control and Pump: Model PS/200/Q, FC(Living System Instrument, Burlington, VT, USA)を用いて、60mmHgの血管内圧をかけて、myogenic tone(rat12.9%±1.6,rabbit13.4%±3.1)を得た血管の血管径を測定した。 セロトニン受容体拮抗薬(5-HT2A blocker)である塩酸サルポグレラート(10^<-9>-10^<-3>M)に対する両者の反応に差を認めた。
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