研究課題/領域番号 |
18659455
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
上野 伸哉 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00312158)
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研究分担者 |
朱 剛 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (80400133)
冨山 誠彦 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40311542)
右田 啓介 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10352262)
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キーワード | 脳・神経 / 認知 / 慢性疼痛 / 疾患モデル / イオンチャネル |
研究概要 |
ヒト夜間前頭葉てんかん(ADNLF)の原因遺伝子(CHRNA4)はニコチニックAChチャンネルをコードしており、α4及びβ2サブユニットに数種類の変異が人より見つかっている。このなかでα4サブユニットにヒトと同じ変異を持つ遺伝子改変動物(S284L-TG)をラットを用い既に作出した。本年度はヒトの場合高率に認知障害を合併するβ2サブユニットの変異を導入したラット4系統に対し、変異遺伝子mRNAおよび蛋白レベルにおける発現量、導入遺伝子のコピー数に関して解析した。4系統中、コピー数が非常に多いもの(100を超える)に関しては、ヒトてんかんモデルとしては不適と判断した。残った2系統に関して脳波記録およびビデオによる行動観察同時記録により自発性痙攣発作が観察された。また1年以上の長期飼育が可能であり、繁殖性にも特に異常は見られなかった。また、幼若期から、老齢期の動物の組織学検索においては奇形等など著明な解剖学的異常は見られなかった。これらのβ2を導入した遺伝子改変動物は、発現量、組織学的検索、長期飼育、繁殖性には異常なく、自発痙攣発作の行動および脳波上での痙攣発作が見られることより、モデル動物として今後、機能解析に値すると考えられた。これら系統を用い認知機能の異常を、まず行動学的な手法により検証する。さらに既に確立してS284L-TG(行動学的には認知機能異常がみられない)ものと、神経結紮等の痛みモデルを作成し、痛み応答を比較検討する。
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