研究課題/領域番号 |
18659456
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 雅彦 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60236320)
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研究分担者 |
小玉 哲也 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (40271986)
城戸 幹太 東北大学, 大学病院, 助手 (40343032)
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キーワード | 遺伝子 / ストレス / 脳・神経 / ナノ材料 / 超音波 |
研究概要 |
18年度研究計画に従い、微小気泡が超音波照射によって破壊されるときに生じる衝撃波を利用して標的組織へ高分子を非侵襲的に導入する手段(微小気泡超音波破壊砕Ultrasound-targeted microbubble destruction, UTMD)をマウス脊髄への遺伝子導入に応用して、以下のような結果を得た。 1.マウス(BALB/c雄6〜8週)をペントバルビタール腹腔内麻酔後、L4-5間より27G注射針で髄腔内にプラスミドDNA (pGL3-Control Luciferase reporter vector)と微小気泡(診断用超音波造影剤アルブミンバブルOptison^<TM>)の混合液10μlを経皮的に注入し、直ちに水中で刺入部脊椎に垂直に超音波を照射した。照射条件は、プローブ径6mm、周波数950kHz、強度1.3W/cm2、DUTY比20%、照射時間1分とした。 2.照射1日、3日および1週間後に剖出脊髄にLuciferinを直接注入し、in vivoリアルタイムイメージング装置にて発光強度を分析した。対照群としてDNAのみ、DNAと微小気泡、DNAと超音波の3群をおき実験群と比較した。 3.対照群と比較して微小気泡と超音波照射を併用することにより高い遺伝子導入効率が得られた。ルシフェラーゼ発光は遺伝子導入後1日目より脊髄に確認され、3日目をピークに1週間で急速に減少した。また、組織免疫染色により、主として硬膜組織へのルシフェラーゼ遺伝子導入を確認した。さらに、これら導入処置はマウスの脊髄知覚運動機能に影響を与えなかった。以上の結果から、UTMD法により非侵襲的に脊髄に遺伝子を導入しうることを確認した。
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