研究課題
本研究は性感染症の新しい原因菌としてのChlamydophila caviac(C. caviae)like organism (CL0)の性状解析と疫学調査を中心とし、動物由来微生物のヒトへの病原性の獲得という細菌の進化上の問題やペットからの感染防止策を考察するものであり、平成18年度の全ゲノム解析、ならびに平成18年度に出願していたLAMP法のプライマー(特願2006-232423)の有用性を中心に平成19年度は以下の研究を遂行した。a CL0のプラスミドの有無を検討。→CL0の精製EB (clementary body)を用いた検討により、CL0はプラスミドを持たないことが判明。b CL0に特異的に発現する蛋白を分析する実験系をデザイン。→CL0の全ゲノム解析結果から特異的に発現する蛋白質のアミノ酸配列を理論上特定し病原性を考察。c 性器・咽頭由来の臨床検体におけるCL0の有無を疫学的に検討。→男性の咽頭・尿道スワブを同時採取して検討し尿道に加えて咽頭からもCL0を検出。d C.trachomatisを同時に検出しうるmultiplex PCRの系を確立。→LAMP法のプライマー(特願2006-232423)の特異性が十分ではなく特許出願を破棄した。既知のゲノムデータ(Read TD, et. al. Genome sequence of Chlamydophila caviae (Chlamydia psittaci GPIC): examining the role of niche-specific genes in the evolution of the Chlamydiaceae, 2003)を用いて独自にプライマーを設計し、リアルタイムPCRによる検出系を新たに立ち上げた。これはC.trachomatisとCL0を同時に検出可能であり、共同発明者として特許出願中。e 研究成果を報告。→後述する学会発表を施行し、論文を作成中。
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