研究課題
1.ヒト胎盤におけるTSSC3蛋白の機能を解析するため在胞別正常胎盤及び機能不全胎盤を用い、ウエスタンブロット法及び免疫組織染色法によるTSSC3蛋白発現レベルの変化を解析した。正常及び機能不全胎盤間で有意な発現レベルの変化は認められなかった。TSSC3蛋白はサイトロホブラストで高発現し合胞体細胞では発現が抑制されていた。2.全国からの3胞体を示す異常絨毛及び母体血を収集し、STSマーカーを用いたDNA多型解析を行い、受精形式の決定を行った。これによりのう胞体絨毛を(1)精子或いは2精子受精雄核発生、(2)3倍体、(3)正常2倍体に分類した。のう胞化絨毛により蛋白を抽出した。さらに組織切片も作成した。我々により作成されたヒトポリクローナールTSSC3抗体を用いてウエスタンブロット及び免疫組織染色を行った。雄核発生を原因とする全奇胎では全例TSSC3蛋白発現は消失していた。しかし3倍体を原因とする部分奇胎2例でも同様に発現解析を行った。全奇胎絨毛では発現消失し、正常絨毛部分では発現が維持されていた。以上の結果からTSSC3抗体を用いたウエスランブロット法及び免疫組織染色は雄核発生全奇胎の確定診断に応用可能であると議論された。3.TSSC3遺伝子マウスホモログを同定した。現在、トロホブラスト幹細胞からの分化課程における機能を解析中である。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
Human Reproduction 22
ページ: 1214-1223
Gynecologic Oncology 105
ページ: 341-350
International Journal of Cancer 118
ページ: 1144-1153
Journal of Reproductive Medicine 51
ページ: 41-48
Cytogenet Genome Res 113
ページ: 247-252
Clin Cancer Res 12(17)
ページ: 5216-5223