研究課題/領域番号 |
18659497
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
古屋 信彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80107606)
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研究分担者 |
宮下 元明 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30400740)
豊田 実 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70344942)
高橋 克昌 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30326839)
工藤 毅 群馬大学, 医学部, 医員 (40419247)
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キーワード | micrometastasis / real time quantitative RT-PCR / cytokeratin / CK-19 / papilloma virus |
研究概要 |
進行頭頸部癌患者の末梢血液中の微量癌細胞の同定に関して、昨年度までは、末梢血液中の有核細胞を濃縮することで、CK-19の発現から検出を試みていた。実験レベルで10の6乗分の1個の癌細胞検出が可能だが、血液中から癌細胞は検出されなかった。今年度は、末梢血から直接RNAを抽出し、RT-PCRでCK-19遺伝子を増幅する方法を試みた。しかし、同様に癌細胞を末梢血液から検出することはできなかった。 中咽頭癌の病理組織標本からの、ヒトパピローマウイルス検出は、調べ得た7症例からはウイルスDNAを検出することはできなかった。ホルマリン固定標本からのPCRは、鋳型となる標的ウイルスDNAは200bp程度のごく短いものなので、DNAが断片化していたとしていても、問題ないと考えてた。PCR反応の阻害物質が、ホルマリン固定やパラフィン包埋などで試料に混入しているかもしれない。もしくは、中咽頭の発癌にはパピローマウイルスは関与していないのかもしれない。現在、新鮮な手術摘出標本を用い、PCR阻害物質が混入しない条件で、中咽頭癌組織にパピローマウイルスゲノムが混入していないが検討している。 折しも、子宮頸癌についてはパピローマウイルスが発癌に強く関わっている証拠が十分であり、ワクチンが承認され、子宮頸癌のリスクの高い人にワクチン接種することが認められた。中咽頭癌でもウイルス発ガンの可能性が示唆されれば、ワクチン接種で癌の予防が可能と期待される。
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