研究概要 |
人工前庭器の基本的部分である半規管と耳石器の最終段階モデルの作製を行った。今年度は、とくに3つの半規管(外側、前、後)に対応するセンサー(3つの回転直線加速度センター)とその頭部への取り付けを行った。すなわち、頭部への3方向、X(左右方向),Y(前後方向),Z(上下方向)、の回転直線加速度に対するセンターを備えた頭部装着用センターを作製した。また、それぞれのセンターからの出力を形態可能な小型コンピュータに取り込み、解析するためのソフトウエアの開発も同時に行った。これによって、昨年度行った2つの耳石器を代行する直線加速度センターに加えて、三半規管を代行する回転加速度センサーが開発されたことになる。これらを搭載した頭部装着用人工前庭器は、まだ十分軽量化できていないが、健常者からある程度のデータを得ることができた。しかし、これを用いた十分な定量的データの解析は、被検者を回転台にのせて重力軸での回転や偏中心回転、あるいはoff vertical axis rotationを行うことによって得ようと計画したが、その重量によるデータへのバイアス除去できない状態である。今後は、これらのセンサーを十分に軽量化し、更に本格的な研究へと結びつけて行く計画である。
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