研究概要 |
酸素性網膜症動物モデル作成方法に糖尿病網膜症が与える影響 BL6マウスの母親と新生児を、生後7日目から5日間高濃度酸素分圧(80%)に暴露することで、網膜の無灌流領域を作成できることを確認した。この観察のためにFITCデキストランを心腔内に注射して、網膜を含む全身に循環させ蛍光顕微鏡で観察することで、網膜の血管並びに無灌流領域の形成を観察できる手技を確立した。 プロテオミクスの手技による検討 ストレプトゾトシンを投与した糖尿病ラットで酸素性網膜症を確立することを試みたが、糖尿病と高濃度酸素の二重の負荷により死亡するマウスが多く、糖尿病状態が酸素性網膜症による血管新生に与える効果を検討するにいたらなかった。糖尿病マウスでは従来の結果同様に、二次元電気泳動ゲルスポットのうち、量的に優位に変化して、同定できたスポットは11個で、6-phosphofructokinase,creatin kinase(mitochondrial)やglial fibrillary acidic proteinなどであった。これらは糖代謝やリン酸化、神経膠の関連蛋白であり、糖尿病網膜症の発症機序を考える上で有用と思われる結果であった。
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