研究課題/領域番号 |
18659513
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
松崎 茂展 高知大学, 医学部, 助教授 (00190439)
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研究分担者 |
福島 敦樹 高知大学, 医学部, 助教授 (40281737)
今井 章介 高知大学, 医学部, 教授 (60232592)
藤枝 幹也 高知大学, 医学部, 助教授 (60209020)
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キーワード | 細菌 / 感染症 / バクテリオファージ / 治療法 / 除菌法 |
研究概要 |
ファージ由来溶菌酵素MV-Lの調製法の検討、MRSA角膜炎/結膜炎マウスモデルの作製、MV-L滴下による除菌効果を検討した。 (1)溶菌酵素MV-Lの大量調製法の検討:C末端にヒスチジンタグを保有するMV-L遺伝子をクローニングした発現プラスミド(pTrc99A/gp65-6×HisあるいはpColdIII/gp65-6×His)をプロテアーゼ欠損大腸菌BL21株で発現させ、コバルトセファロースカラムによる一段階純化にてMV-Lを大量調製し、凍結乾燥法等により保存した。またpColdIIIを使用し低温(15℃)培養した場合の方が不活性の封入体(inclusion body)の形成をかなり抑制でき、活性MV-Lが効率良く調製できることが分かった。 (2)MRSA角膜炎/結膜炎マウスモデルの作製:BALB/cマウスを用い、無傷および有傷眼球にリファンピシン耐性マーカー付与MRSAを滴下後、菌数測定を行なった。マウス眼球における自然除菌機構は強力で、無傷眼球の場合10^8 cellの菌を滴下した場合でも、3日後には自然状態で完全に回復していた。また、10%ドデシル硫酸ナトリウムで眼球損傷後に菌接種を行なった場合でも、3日後には回復していた。それ故、菌滴下後1日以内に除菌実験を行なった。 (3)実験的MRSA角膜炎/結膜炎マウスに対するMV-L投与効果の検討:上記MRSA眼感染モデルに対し菌接種後2時間でMV-Lおよび生食5μlを眼球に滴下し、その後15分で5μl生食で洗眼して後菌数を測定した結果、MV-L投与した場合に菌数低下が認められた。 本研究の遂行により、溶菌酵素MV-Lの効率的調製法が確立され、MV-Lによる眼感染MRSAの除菌が確認されたが、より適切なMRSA眼感染症モデルを作成には、更なる検討が必要である。
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