研究課題/領域番号 |
18659545
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
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研究分担者 |
美島 健二 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (50275343)
井上 裕子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (50367306)
山田 浩之 鶴見大学, 歯学部, 助手 (90267542)
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キーワード | シェーグレン症候群 / 酸化ストレス / 唾液分泌機能障害 |
研究概要 |
シェーグレン症候群(SS)の唾液分泌機能抑制に酸化ストレスが関与しているかを検討するために、SS患者唾液中の各種酸化ストレスマーカーを測定してその解析を行った。 鶴見大学歯学部附属病院外来患者のうち、臨床研究の同意が得られた女性患者37名(平均年齢63.9±9.6歳)を被験者とし、SS罹患の有無および唾液分泌量により4群に分類し検討した。すなわちSS群(8名)ならびにG1群(9名)はSSの罹患の有無と安静時唾液が<0.5ml/15分、刺激時唾液は<5ml/10分の分泌量を認めた疾患群であり、G2群(10名)はSSの罹患が無く安静時0.5≦-<1.5ml/15分、刺激時5≦-<10ml/10分の唾液分泌量を示し、control群(10名)は正常な唾液分泌量を認める健常者とした。唾液中の酸化ストレスマーカーである8-OHdG、HEL量を測定し、各疾患群で比較検討を行ったところ、SS群はG1、G2ならびにcontrol群と比較して有意に高値を示した。一方、G1、G2ならびにcontrol群の8-OHdG、HEL量は有意な差を認めなかった。また同一患者血清中の8-OHdG量を測定したところ、唾液8-OHdG量と同様の傾向を示した。次に血清の指標となるapoBを同一唾液試料で検出を行った結果、いずれも検出感度以下であった。さらに細胞傷害の指標として汎用されているLDHやm-GOTとの比較検討した結果、SS群はG1、G2ならびにcontrol群と比較して有意に高値を示した。LDH、m-GOTと8-OHdG、HELの各項目間に有意な相関が認められた。さらに、これらの酸化ストレスマーカーと、SSの組織学的評価法との相関を解析したところ、組織学的重症度と8-OHdG(p=0.8231)量ならびにHEL(p=0.5485)量とは共に相関が認められなかった。
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