研究概要 |
骨芽細胞・骨細胞や軟骨細胞は共通のstem cellからそれぞれの前駆細胞を経て分化していく(図2)。この分化の機序についての研究は従来、転写調節因子を中心に行われてきており、Runx2/Cbfa1やOsterixなどのkey factorの発見をもたらした。しかしながら、筋肉におけるmyogeninほどの強い分化誘導作用はなく、ほかの複数の因子の関与が推測されている。近年、遺伝子発現の調節には転写調節因子以外に、エピジェネティックな染色体の構造変化が重要であることが示唆されていると共に、miRNAによる翻訳調節が重要であるということが報告され始めている。 本研究では、骨・軟骨形成細胞の分化においてもmiRNAによる翻訳調節が重要な役割を果たしているという仮説のもとに、分化段階の異なる細胞からそれぞれに特異的に発現しているmiRNAを分離同定し、その標的遺伝子の特定をも行うものである。 本年度は破骨細胞の共存培養系におけるマウス頭頂骨の骨芽細胞richな画分を用いて1α,25(OH)_2D_3とプロスタグランジンE_2を作用させた系において変化するmiRNAについてAmbion社製の「mirVanaTMmiRNA array system」を用いて解析を行った。それによりVit.D3+PGE2添加で5日間培養することにより、減少するmiRNAの候補として約20種類のRNAをpick upすることが出来た。今回の結果では、この培養期間中に増加するmiRNAは認められなかった。現在、個々のmiRNAについてPCRにて確認中である。
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