研究課題
今年度は(1)B16メラノーマ細胞とC57BLマウスを用いたリンパ節転移実験モデルの作製と(2)マイクロスコピーコイル(23mm径)を用いた転移リンパ節の高解像度MR撮像法の確立に焦点を絞り研究を進めた。現在までに(1)マウスを用いたリンパ節転移の実験系のモデルはほぼ完成した。(2)のMR撮像法については、まず正常マウスを用いて非転移リンパ節の撮像条件について検討中である。対象としたのは足底部に移植したメラノーマ原発巣からのセンチネルリンパ節と考えられる膝寓リンパ節である。このリンパ節は正常では2-3mm程度であり、正常リンパ節を画像化できれば、転移リンパ節はそのサイズが大きくなることから撮像が可能であると考えられる。また、転移前のセンチネルリンパ節を予測することが可能か否かを検討する目的にて、このリンパ節の拡散強調撮像法も試みている。7週齢C57BL/6マウスの正常膝寓リンパ節はT1強調画像にて筋肉と同程度、脂肪抑制T2強調画像にて高信号に捉えられる。拡散強調撮像法によりADCを計測すると、0.189×10^<-3>mm^2/secであった。これはヒトの正常リンパ節よりもやや低いが、対象が2〜3mm程度のリンパ節では周囲からの影響も考慮に入れなくてはならない。また、撮像法自体も十分な再現性を有しているとはいいがたく、改良の余地が残されている。今後、足底部footpad皮下に1×10^6個のメラノーマ細胞を移植したマウスを用いて1-25日経時的に鑑察し、得られたMR画像およびADC値を組織と比較検討した上で、どの時点でリンパ節転移の予測が可能なのかを解析していく。その結果は第48回歯科放射線学会総会(大宮)にて発表の予定である。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
Eur Radiol (in press)
Springer-Verlag (in press)
AJR Am J Roentgenol 186
ページ: 749-757
AJNR Am J Neuroradiol 27
ページ: 1283-1287