研究課題/領域番号 |
18659596
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226172)
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研究分担者 |
畠山 大二郎 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60377653)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (50345790)
加藤 恵三 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (40397336)
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キーワード | stem cell / tooth germ / wisdom teeth / dental pulp / regenerative medicine / tissue engineering |
研究概要 |
研究計画に従い、本年度は以下の成果を得た。 「組織幹細胞株の樹立」 岐阜大学医学部附属病院・歯科口腔外科を受診した者のうち、歯列不正改善などのため智歯抜歯が必要で、かつ、その歯が未完成である患者(歯胚を有する者)を対象とし、倫理審査委員会の指針に従って研究協力の同意の得られた方の通常抜歯後の材料より歯嚢および歯胚を採取し100ラインの培養株を樹立し、今後の解析試料を得た。 「樹立細胞の分化・増殖能の評価」 ・増殖能の評価(歯の形成状態と増殖能の対比) 得られた歯胚細胞株30系を用いて、それをオルソパントモ写真で観察される智歯の形成状態 歯冠完成期(crown completed)、歯根形成期(root formation)、歯根完成期(root completed)に分けてgrowth curveの測定を行った所、培養開始30daysまでは各段階の細胞増殖に差は認められなかったが、それ以降観察した100daysまでの間で最も幼若と考えられる歯冠完成期(crown completed)のものの増殖が良好に維持されるのに比べ、歯根形成期(root formation)、歯根完成期(root completed)のものでは順になだらかな低下が観察された。 ・分化能の評価 分離・培養された細胞のプロフィールを明らかとするために、DNAアレイにて解析した所、BMP-2 mRNAの異常な高発現とPDGFの高い発現が観察された(その他20程の高いmRNAの発現が観察され、今後RT-PCRでの解析を行いプロフィール観察のための有望な候補遺伝子を得た)。また、骨誘導培地にて分化誘導を行った所、継代により分化能が低下したが、これにBMP-2を添加して継代すると高い分化能を維持することが示された。 今年度は、細胞株の樹立と骨への誘導能のみの解析に終始したため、神経・脂肪等他の細胞への分化能の解析が出来なかった。このため、次年度はこれらを含めた包括的な分化能の評価を早急に行う予定とした。 (尚、上記内容をCharacterization of stem cell in dental pulp of human wisdom tooth germとして投稿中)
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