研究課題/領域番号 |
18659597
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 陽一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (20345903)
|
研究分担者 |
上田 実 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00151803)
賀来 亨 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60133253)
八島 明弘 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90316266)
|
キーワード | 再生医療 / 幹細胞 / 骨粗鬆症 / アンチエイジング / QOL向上 |
研究概要 |
本年度はラットの卵巣を摘出することにより骨粗魅症モデルラットを作製することに成功した。つまり、DXA(2重エネルギーX線吸収計)というCT機を用いて骨密度を測定した結果、卵巣摘出ラットでは骨密度の低下が観察され、骨質の低下が確認できた。また、幹細胞の分離、培養に関しても、ラット骨髄から未分化間葉系幹細胞(MSCs)の分離、増殖させる方法を応用し、GFP遺伝子組み換えラット(全ての組織にGFP遺伝子が組み込まれているラット)からの骨髄由来未分化間葉系幹細胞(GFPMSCs)の採取にも成功した。さらに、分離した幹細胞を移植に必要な細胞数まで、培養操作により増殖させ、移植に用いることを可能とした。計画していた2グループに分けた検討項目に従い、つまり、(1)間葉系幹細胞(GFPMSCs)を、脈管内経静脈的に全身投与する群においては経静脈的に幹細胞を投与した。投与後、DXAにて骨密度を計測した結果、骨粗鬆症モデルラットのDXA値は細胞を注入し、1ヶ月後には改善が見られた。今後さらなるN数を加え、評価を行うことで、効果を判断すると同時に、組織学的評価の裏付けを行う予定である。さらに、移植細胞の動態についても検討する。また、(2)骨粗鬆症患者では、大腿骨骨折が多く、その場合、寝たきりになるなどきわめてquality of life (QOL)低下をきたすため、骨粗鬆症モデル成立ラットの大腿骨を用い、局所への投与を検討した。間葉系幹細胞(MSCs)をマトリックスとともに局所注入した結果、細胞注入群において、骨密度の改善が得られたため、引き続き、効率良いサイトカイン、スキャホールドの検討を進める予定である。同時に、マトリックス内での細胞生存期間、細胞障害性、最適マトリックスを評価する。本研究は計画通りに進んでおり、さらなる成果を上げるべく、研究を精力的に進めていきたい。
|