研究課題/領域番号 |
18659613
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山城 隆 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70294428)
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研究分担者 |
高田 健治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50127247)
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キーワード | 口蓋裂 / CBFb / Runx / 口蓋の形成 / コンディショナル・ノックアウトマウス / 上皮特異的 / Cre-LoxP |
研究概要 |
唇顎口蓋裂が発生する分子機構はまだほとんど明らかにされていない。最近のわれわれの研究から、CBFbという遺伝子が口蓋の発生に重要な役割を果たす可能性を示唆する所見を得た。そこで今回、CBFbの遺伝子改変動物を用いてCBFbが口蓋の形成に果たす役割を検討する。CBFbはそれ自身DNA結合能を持たないものの、転写因子であるRunxファミリーと結合することで様々な下流の遺伝子の転写を調節する。Cbfbは、その遺伝子改変動物の表現系から、血液、骨、神経等さまざまな組織において、発生・分化に重要な役割を果たすことが明らかとなっている。ところで、われわれの研究グループはRunx1の機能を阻害すると、一次口蓋と二次口蓋の間で口蓋裂が生じることを、最近見出した。Runx1mRNAの発現パターンとこの結果から、Runx1は口蓋の形成において上皮の癒合に関与することが明らかとなった。口蓋の形成においてもRunx1がその機能を果たすためにCBFbと結合することが必須であり、そのためCbfbは口蓋の形成に関与していることが示唆される。そこで、本研究ではCBFbが口蓋の形成に果たす役割について検討した。本実験では、CBFbノックアウトマウスは口蓋の形成前に造血系の問題により致死である。そのためCBFbを上皮特異的にノックダウンしたマウスを用いてCBFbノックアウトマウスをCre-LoxPシステムによって作成することを計画した。われわれは既に、K14-CreマウスとCBFb-floxマウスを入手しこれらの交配を始め、現在、K14-Cre+/-::Cbfb+/floxマウスとCBFb flox/floxマウスが誕生する段階まできた。近日中には、これらのマウスの交配により上皮でのみCBFbがノックダウンしたマウスが誕生し、口蓋での表現形の観察が可能であり、論文投稿を行う予定である。
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