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2007 年度 実績報告書

ヒト造血系細胞再構成マウスを用いた歯槽骨リモデリング機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18659618
研究機関松本歯科大学

研究代表者

小林 泰浩  松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 准教授 (20264252)

研究分担者 中道 裕子  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (20350829)
溝口 利英  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (90329475)
キーワード破骨細胞 / PGE2 / ヒトCD14陽性細胞 / 骨吸収 / ミノサイクリン
研究概要

生体内における骨吸収の解析は,動物を用いて主に行われている.しかし,細胞培養系においてマウスとヒトのマクロファージ、マウスとヒトの破骨細胞を比較すると,生理活性物質に対する反応が異なることがある.プロスタグランジンE_2(PGE_2)は,マウスの破骨細胞の分化を促進するが,ヒト破骨細胞への分化を抑制する.本研究課題では,ヒト造血細胞由来の破骨細胞による骨吸収に及ぼすPGE_2の効果の検討を試みた.テトラサイクリン系抗生物質であるミノサイクリン(Mino)は、PGE_2の産生を介してヒトの骨吸収を抑制することが報告されている。H18年度にCD14陽性細胞およびマウス骨髄マクロファージをMinoで処理すると、RANKLで誘導する破骨細胞形成を抑制することを明らかにしている。Minoは、ヒト由来およびマウス由来マクロファージで、Cox2 mRNAを誘導しなかった。破骨細胞分化に必須な転写因子であるc-fosおよびNFATc1の発現を検討した。マクロファージをRANKLで刺激するとこれらの転写因子の発現は、著明に上昇した。しかし、マクロファージをRANKLと同時にMinoで処理すると両転写因子の発現が抑制された。これらの結果から、Minoは、PGE2産生を介さず、直接RANKLによるシグナルを遮断している可能性が示唆される。また、生体内においても、RANKL投与によって起こる骨吸収を抑制する結果を得ている。抗菌剤であるMinoが、骨吸収を抑制する可能性を示唆する。
マウスM-CSFとヒトRANKLが、ヒトCD14細胞の破骨細胞への分化を誘導するか検討した。しかし、マウスM-CSFはヒト破骨細胞を誘導しなかった。つまり、ヒト血液幹細胞をマウスに移植した場合、ヒト由来のM-CSFを投与する必要があると思われる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] MKK6-p38MAPK signaling pathway enhances survival but not bone-resorbing activity of osteoclasts2008

    • 著者名/発表者名
      Teruhito Yamashita
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun. 365

      ページ: 252-257

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Roles of Wnt signaling in bone formation and resorption2008

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Kobayashi
    • 雑誌名

      The Japanese Dental Science Review (In press)(掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 下垂体ホルモンTSHとFSHによる骨代謝調節2007

    • 著者名/発表者名
      小林 泰浩
    • 雑誌名

      The Bone 21

      ページ: 93-98

  • [学会発表] Wntによる破骨細胞の分化制御機構2007

    • 著者名/発表者名
      小林 泰浩
    • 学会等名
      第66回日本矯正歯科学会大会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2007-09-20
  • [学会発表] Tetracyclines inhibit osteoclast differentiation and function.2007

    • 著者名/発表者名
      Kinugawa Saya, et. al.
    • 学会等名
      第27回米国骨代謝学会
    • 発表場所
      Hawaii Convention Center
    • 年月日
      2007-09-17
  • [学会発表] Wntによる破骨細胞分化調節機構2007

    • 著者名/発表者名
      小林 泰浩
    • 学会等名
      第25回日本骨代謝学会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2007-07-21
  • [図書] Principles of bone biology. Third edition, ed by Raisz LG, Martin TJ, Bilezikian JP2008

    • 著者名/発表者名
      Naoyuki Takahashi
    • 総ページ数
      1700
    • 出版者
      Academic Press
  • [図書] Methods in Molecular Medicine ed by Cope A.P.2007

    • 著者名/発表者名
      Naoyuki Takahashi, et. al.
    • 総ページ数
      430
    • 出版者
      Humana Press

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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