研究概要 |
口腔機能診断用チップ状に載せるマーカーを決定するための実験を行った (1)加齢に伴う頬粘膜・咀嚼筋・嚥下関連筋細胞の構成蛋白質と細胞内情報段達系の変動解析 成熟ラット(12週齢・雌雄)及び老齢ラット(2年齢・雌雄)の頬粘膜・咀嚼筋・嚥下関連筋を採取し、10mM phosphate buffer(pH7.4)にてホモジネートを調製した。Am. J. Physiol. Cell Physiol. 289,C1303-C1311,2005の方法に準じて、1%Triton-X(TX)100に可溶牲画分(ラフト)と不溶性画分(ノンラフト)に分画し、細胞質と細胞膜をそれぞれラフトとノンラフトに分画した。各画を分二次元電気泳動、ゲル濾過、各種のクロマトグラフィーから、加齢変化の認められたスポット・バンドを検討した。その結果、細胞膜への移行が減り、細胞質でラフトに留まって増加する蛋白質が幾つか見つけられた。J. Dent. Res. 82,476-480,2003の方法にてPI代謝・Ca^<2+>放出系、グアニル酸シクラーゼ・cGMP系に老性低下を検討した結果、NO合成酵素活性が加齢に伴って低下していた。 (2)加齢に伴う頬粘膜・咀嚼筋・嚥下関連筋細胞の構成脂質の変動解析 上述ラットの頬粘膜・咀嚼筋・嚥下関連筋を採取し、ホモジネートを調製した。Bligh-Dyer法にて総脂質やTX100可溶性画分と不溶性画分から脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーを用いて展開、免疫染色法やELISA法で測定し、加齢変化のでるスポットを数種検出した。現在それが何であるかを同定中である。また、ラフト形成とラフト分解に関係する酵素を成熟ラットと老齢ラットの比較で検討した。 (3)加齢に伴う頬粘膜・咀嚼筋・嚥下関連筋細胞の生理活性物質の変動解析 上述ラットの頬粘膜・咀嚼筋・嚥下関連筋を採取し、ホモジネートを調製した。成熟ラットと老齢ラットで細胞質に局在するペプチドに差を認めており、現在、加齢変化するペプチドが何であるかを同定中である。
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