研究概要 |
勤労女性の老親介護の実態把握を目的に、アンケート用紙を作成し郵送調査を行った。 【調査の対象】関東・中部・近畿・中国地方在住の、勤労女性介護者(介護中の者、過去に介護した者)及び今後そうなる可能性のある女性。調査内容が多く無作為抽出法では協力が得られにくいと考え、知人を介して病院・高齢者介護施設や、介護に関心の高い団体(認知症の家族の会、育児と介護を考える会)等に協力を依頼した。これまで200余名の対象者へ調査用紙を送付した。 【調査内容】女性の社会的背景に関する事柄、老親の状況に関する事柄のほか、以下7種類の尺度・項目を盛り込み調査冊子(働く女性の介護生活に関する調査票、全37ページ)を500部作成した。 1.家事介護に関わる日本人特有の考え方について(橋爪)16項目 世間体尺度百瀬・麻原,1996)12項目 平等主義的性役割態度スケール短縮版(鈴木、1994)15項目 2.プライベート空間機能尺度(泊・吉田,1998)14項目 3.仕事介護両立のため女性のとる行動(橋爪)20項目 4.CES-D20(島・鹿野・北村・浅井,1985)20項目 5.仕事介護両立に伴い女性が感じるストレス(橋爪)15項目 ワーク・ファミリー・コンフリクト尺度(金井・若林,1998)20項目、 日本語版Zarit介護負担尺度(荒井・武田,2001)22項目 6・仕事介護両立で女性が感じるストレスへのコーピング(橋爪)16項目 コーピング尺度(尾関,1993) 7.仕事介護両立で女性が抱く達成感(橋爪)10項目 役割満足(三川,1990) 【進捗状況】平成19年3月末現在、55部の調査票を回収した(このうち13名が看護職)。このうち4名より、インタビュー調査の内諾を得た。アンケート調査の依頼を続けつつ、就労・介護を両立する上での困難点、必要な支援・公的制度についてインタビュー調査を計画・実施してゆく予定である。
|