研究課題/領域番号 |
18659678
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
千葉 由美 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教 (10313256)
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研究分担者 |
山脇 正永 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (30302855)
植松 宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80100957)
森田 定雄 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (20202426)
戸原 玄 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (00396954)
叶内 匡 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (50345287)
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キーワード | 摂食・嚥下障害 / 予防 / トレーニングプログラム / 介入 / 基準作成 / 効果 / 非侵襲検査 |
研究概要 |
摂食・嚥下障害予防のためのトレーニング開発に向けて、従来型の口腔期が中心となっている体操ではなく、新たに咽頭部の諸機能向上を考慮し、その内容を加えた「がるぷトレーニング」を作成した。内容を検討する際に、摂食・嚥下障害を有する患者に対するリハビリテーションの訓練メニューとして実施し、効果のあると思われるものから対象本人の実施可能性がより高く、簡便にできるよう選択に心がけた。実際、この選択は、リハビリテーション部の言語聴覚士と看護師の有資格者が行ない、内容については医師、歯科医師らを加えたメンバーで検討を重ね、精選した。介護予防の観点でも活用できる汎用性の高いものにしたいと考えて作成しているが、"咽頭機能向上"のためには、対象別に頻度や強度に関する基準化が重要である。そこで、本年度は比較的健康度の高いデイサービスを利用している高齢者105名を対象として「パタカ」の発声(パターンがあり)、裏声(3回)、プッシング訓練(10回)の組み合わせで咽頭強化用プログラムを構成し、2週間の介入を行なった。介入内容は、デイサービスへの参加時、食前にこれを実施してもらうというもので、合計約10分程度である。調査内容は、主観的項目、客観的項目(神経所見、RSST:反復唾液嚥下テスト、MWST:改定水飲みテスト、咳テスト)で、分析は介入前後比較を行った。既存テストの評価基準については、従来どおりとした。分析対象は計84名で、咳反射については1%クエン酸ナトリウム液を噴霧し、咳反射状態を見た。2週間の介入で、デイサービスへの参加回数がまちまちであったが、頬をふくらます、引っ込める、口唇の突出、舌(是舌・前後・上下)、随意的咳、発声「カ、パタカ×3」「い〜(音程をあげる)」に改善が見られ、RSSTでは異常の疑いが44.1%から30.9%に減少していた。デイ参加の影響などの分析を進める予定である。
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