研究課題/領域番号 |
18659682
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
馬場 みちえ 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (60320248)
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研究分担者 |
畝 博 福岡大学, 医学部, 教授 (40122676)
埴岡 隆 福岡歯科大学, 教授 (00144501)
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キーワード | 歯科保健 / 歯周病リスク / 保健指導 / 健康教育 / メタボリックシンドローム |
研究概要 |
現在口腔内の健康は重要といわれていても歯科専門家以外が保健指導を行なう場は少ない。そこで生活習慣病予防の中に口腔内保健指導を組み入れることができるかどうかを目的として、1)歯周病リスク(歯肉溝滲出液生化学検査)が生活習慣病(糖尿病、肥満、メタボ)と関連があるのかということと、2)口腔内保健指導の効果的な方法を検討した。 1)対象は、A事業所健康保険組合加入者本人で定期健康診断、歯科検診受診者35歳以上男性548人(平均年齢47歳)とした。歯周病リスク検査の結果は、血糖HbAlc5.6以上(82人)でLf(ラクトフェリン)が365.0、5.5以下(466人)497.3(P<0.006)であり、BMI25以上(204人)Lf423.0、24以下(344人)362.1(p=ns)、日本内科学会でのメタボ者(220人)でLf369.0、非メタボ者(134人)368.9(p=ns)であった。耐糖能異常者で歯周病リスクが高くなっていた。 2)健康教育対象者を無作為に講義形式グループ、実習形式グループに分け、歯周病リスク検査で健康教育後の経過を観察した。対象はK市の高齢者歩こう会(60名、平均年齢68歳)で歯科予防教室を3回(0ヶ月、3ヶ月後、8ヵ月後)に行った。講義形式グループでは、歯周病リスク検査がLf初回483.8、3ヵ月後231.7、8ヵ月後254.6、実習形式グループでは、Lf初回422.8、3ヵ月後225.1、8ヵ月後237.3であり、毎回の値はグループ間で差が認められず、3ヵ月後に両グループとも歯周病リスクが低下しており(P<0.05)、8ヵ月後はどちらもわずかに上昇していた(p=ns)。 以上の結果から、歯周病リスクは、耐糖能異常者と関連しており糖尿病との関連が示唆された。また、生活習慣病予防教育の中に口腔内健康の情報提供支援であっても効果があることが示唆された。
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