研究分担者 |
林 陸郎 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (00156465)
飯田 苗恵 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (80272269)
小林 万里子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (20433162)
鈴木 牧彦 北里大学, 一般教育部, 教授 (90226548)
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研究概要 |
【目的】在宅心臓病患者の運動プログラムとして気功に基づく採気体操を開発し、健常高齢者を対象に採気体操の安全性と有用性をラジオ体操(第1)と比較した。【方法】健常高齢男性39名(平均年齢67±5歳)を無作為に採気体操群(S群、20名)とラジオ体操群(R群、19名)に分け,各体操を4週間継続実施し,運動習慣,タイプA行動特性,膝伸展筋力、健康関連QOL(SF36)、抑うつ傾向(GDS短縮版)等を調査測定し、4週前後の変化をt検定、χ^2により検定した(有意水準は5%未満)。【結果】採気体操およびラジオ体操を4週間実施し、両群の膝伸展筋力は有意に増加した。両群の開始時のSF36の下位尺度(身体機能:PF、日常役割機能(身体):RP、体の痛み:BP、全体的健康感:GH、活力:VT、社会生活機能:SF、日常役割機能(精神):RE、心の健康:MH)の偏差得点は国民標準値(50)を全て上回っていた。4週前後のSF36の変化量は両群間に有意差はなかったが、群毎の運動習慣有無別の比較では運動習慣のないS群10名はPFとMHが有意に上昇し、運動習慣のないR群9名はBPとSFが有意に上昇した。群毎のタイプA行動特性別の比較ではS群のタイプA9名は有意な変化を示さなかったが、R群のタイプA5名はPF、GH、REが有意に減少した。抑うつ傾向はS群4名、R群4名であり、それぞれ4週間の体操後に抑うつ傾向である人数に変化はなかった。【考察】運動習慣のない健常高齢者では採気体操およびラジオ体操により下肢筋力が増加し、さらに、採気体操は心の健康が向上、ラジオ体操は社会生活機能が向上した。運動習慣のない健常高齢者では短時間の運動の継続は身体的効果に加え、社会心理的効果に有用である。積極的な運動に取り組みにくい在宅心臓病患者に対して、採気体操は運動の習慣化を推奨するために活用できる運動プログラムと考えられる。
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