研究課題/領域番号 |
18659693
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研究機関 | 九州看護福祉大学 |
研究代表者 |
石原 和子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部・看護学科, 教授 (30284714)
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研究分担者 |
増田 安代 九州看護福祉大学, 看護福祉学部・看護学科, 助教授 (60300167)
徳永 淳也 九州看護福祉大学, 看護福祉学部・社会福祉学科, 助教授 (30343370)
永田 俊明 九州看護福祉大学, 看護福祉学部・社会福祉学科, 助教授 (00412776)
茶屋道 拓哉 九州看護福祉大学, 看護福祉学部・社会福祉学科, 助手 (10412785)
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キーワード | インフォームド・コンセント / 精神治療領域 / 統合失調症 / 実践的知識 / 熟練看護師 |
研究概要 |
精神医療とインフォームド・コンセント(以下IC)は、1988年施行の「精神保健法」において、本人および保護義務者に対する説明と、本人同意を基本とした"入院時告知事項"4項目が規定されている。精神医療モデルにおいては、身体的医療モデルと異なり情報の一般化、客観化が困難であり実証的コンセンサスが得られにくいといわれている。しかし、このような状況下にあっても、ICの実践には、患者の主体的かつ積極的な関わりが不可欠である。そこで、精神治療領域において、ICを効果有らしめるための実践的アプローチの手法を探る目的として本研究を実施する。 研究方法:1)研究デザインは、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)とし、分析手法はStrauss & Corbin版(1998)を採用した。 2)研究対象者は、A・B2ヶ所の精神医療施設の看護部長に推薦された計8名の熟練看護師に対して倫理的配慮の下で、半構造化面接を実施した。 3)データの分析は、面接時の録音を語り手の考えに沿って分類し、それらの特性と次元の類似性をもとに、パラダイムとカテゴリー関連図及び現象全体をあらわすカテゴリー構造図を作成した。 結果と考察:被研究者8名の構成は、女性6名男性2名、30歳〜54歳(平均43歳)、臨床経験年数は10年〜34年(平均21年)、そのうち精神科勤務は6年〜28年(平均15年)であった。 入院から退院までの時間的経過に沿って、【関係性の構築】【コミュニケーション】【信頼関係の構築】【服薬導入と協働】【社会性とセルフケア】【退院への環境調整】の6つのカテゴリーを抽出した。これらのカテゴリーは、チームアプローチを前提として展開しており、熟練看護師として培ってきた知識とコミュニケーション技術を駆使し、プロセスモデルに沿って、患者の主体的かつ積極的な関わりを支えていた。
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