研究概要 |
本研究の目的の一つは、従来方式よりも安全性が格段に高いことを証明可能なブロック暗号利用モードを開発することにある。 本年度は、主に以下の結果を得た。 (1)提案認証暗号化モードCHM (CENC with Hash-based MAC)の安全性の証明を行った。その結果、従来知られているいずれの認証暗号化モードよりもCHMが高い安全性を有していることを数学的に示した。以上の結果をFSE 2006の最終版論文として国際暗号学会のイープリント・アーカイブにて公開した。 (2)提案暗号化モードCENCの安全性について、詳細な検討を行った。CENCの鍵系列を乱数と識別する敵の存在を示し、その成功確率を導いた。この攻撃成功確率は、国際会議FSE 2006にて示されている安全性限界式と、あるパラメータの範囲では一致する。これは、提案攻撃法が最良の攻撃法であること、及びFSE 2006において示されている安全性限界式がこれ以上改善ができないことを示している。以上の結果を「CENC : Overview and Tightness of the Security Bound」と題してDagstuhl Seminar, Symmetric Cryptographyにおいて発表した。 さらに、従来方式よりも効率的に強擬似ランダム置換を構成する方法を提案した。
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