信頼性を実現するRFID情報システムの研究

2006 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18680009
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 井上 創造 九州大学, 附属図書館, 助教授 (90346825)
• キーワード: RFID / スマートセンサ情報システム / 高信頼性ネットワーク / セキュアネットワーク

研究概要

本研究は,信頼性を実現するためのRFID情報システムの基礎技術をデータ工学的アプローチで研究した.
具体的に以下のアプローチを行った.
(1)現実の応用に即した,RFIDの信頼性に対する要求の洗い出しとモデル化:
紙幣が印刷技術や厳正な発行管理により多様な精度とコストの信頼性を確保しているように,RFIDの信頼性においても多様性が求められるため,この要求を明確化しシステムが扱えるようなモデル化を行った.特に個人情報保護における重要な視点であるリンク不能性について定式化し,(2)との関連を調べた.
(2)システム全体で最適となるような高信頼識別技術の構築:
現実の状況の記述を詳細化し,RFID情報システムの高信頼化をできる方法を構築した.この方式設計には,RFIDタグにはハッシュ関数と同程度の計算機能を想定し,提案方式は,誤り訂正理論を応用した評価を行った.評価は,計算機シミュレーションおよび理論値による評価を行い,この2つを整合した評価をおこなった.
上記2点に基づき,イベント支援や,救急活動といった実際の現場で成果を応用し,提案手法を評価した.

研究成果

• [雑誌論文] Unlinkability and Real World Constraints in RFID Systems (2007)
  • 著者名/発表者名: Yasunobu Nohara, Sozo Inoue, Hiroto Yasuura
  • 雑誌名: Proc. of 5th IEEE Conference onf Pervasive Computing and Communications Workshops ページ: 371-376
• [雑誌論文] Systematic Error Detection for RFID Reliability (2006)
  • 著者名/発表者名: Sozo Inoue, Daisuke Hagiwara, Hiroto Yasuura
  • 雑誌名: Proc. Int'l Conf. Availability, Reliability and Security (ARES) ページ: 280-286
• [雑誌論文] 自動認識におけるプライバシーと個人情報保護技術 (2006)
  • 著者名/発表者名: 井上創造, 野原康伸, 安浦寛人
  • 雑誌名: 電子情報通信学会誌 Vol.89, No.5, ページ: 390-394
• [雑誌論文] Unlinkable Identification for Large-scale RFID Systems (2006)
  • 著者名/発表者名: Yasunobu Nohara, Toru Nakamura, Kensuke Baba, Sozo Inoue, Hiroto Yasuura
  • 雑誌名: IPSJ Journal Vol.47, No.8 ページ: 2362-2370
• [雑誌論文] Supporting Colocated Interactions at an Academic Conference Using RFID and Social Network Displays (2006)
  • 著者名/発表者名: Shinichi Konomi, Sozo Inoue, Takashi Kobayashi, Masashi Tsuchida, Masaru Kitsuregawa
  • 雑誌名: IEEE Pervasive Computing Vol.5, No.3 ページ: 48-56
• [雑誌論文] 現実世界の制約を考慮したRFIDシステムのリンク不能性に関する考察 (2006)
  • 著者名/発表者名: 野原 康伸, 井上 創造, 安浦 寛人
  • 雑誌名: コンピュータセキュリティシンポジウム2006(CSS2006)論文集 Vol.2006, No.11 ページ: 495-500