既存の大規模な情報ネットワークからの情報抽出の際に、様々な研究者がとった手順を記録し、その思考プロセスのモデル化を試みた。この思考プロセスを第三者に提示するインタフェースを実装するための基礎的な知見を得るため、既存のインタフェースを利用した際の情報取得手順について記録し、利用者の意図を推定する実験を行った。これに加え、より高度な情報抽出を可能とするため、研究に長く携わっている研究者の人的資源を活用し、その知識体系を明示的に提供することで意図の把握を補助することを試み、情報提示時に併せて表示するインタフェースの開発を行った。具体的には、ある研究者により投稿された対談あるいは論文群を解析・再構造化することにより、各研究者の研究における志向性・興味の対象とその移り変わり、どのような知識・分野を背景に論文内容を捉えているかといった情報を抽出し、提示する情報の選別に対する利用を試みた。研究者情報と提示情報のマッチング結果を操作・加工可能なGUIの実装により、利用者による抽出規則の理解度向上・情報抽出作業の高速化が確認されている。このような技術は、実験データや各研究者の研究成果といった膨大な情報群を処理することが大きな負担となりつつある研究者・研究分野の今後の発展において、非常に重要な研究課題であると考えられる。また、対象とする研究者判断を含む情報取得先として、動画情報を視聴中の視聴者行動履歴を対象とし、動画情報の性質分類とレコメンデーションを行うシステムのプロトタイプを構築した。上記システムへの統合することで、より包括的な研究活動支援を可能とするインタフェースの実現を目指している。
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