研究概要 |
デスクトップユーザがモバイルユーザを支援するための機能の追加:センサネットワークやネットワークカメラを利用して現場の状況を容易に把握可能なデスクトップユーザと,現場を実際に目で見ることのできるモバイルユーザとのコラボレーシヨンを可能にするためのユーザインタフェースを,メディアスペース技術・ロボット技術・ユビキタス環境技術を統合することによって開発した.環境とその中にいるユーザとのインタラクションを支援するユーザインタフェースの研究は数多くある.それらとは異なり,環境外部のユーザとの環境を介したインタラクションを支援する点が本研究で開発したユーザインタフェースの特徴である.このユーザインタフェースでは,モバイルユーザが滞在している物理環境の天井付近に設置されたネットワークカメラの映像が画面に表示される.そして,その映像上に,床面RFIDセンサで取得したモバイルユーザの位置情報にもとづいてアイコンが表示される.デスクトップユーザはアイコンをクリックしてプルダウンメニューから項目を選択することで,アイコンに対応するモバイルユーザの携帯電話に回線をっないで音声通話を行ったり,ロボットをそのモバイルユーザに接近させて話しかけたりすることができる.このような同期型インタラクションに加えて,非同期型インタラクションも可能となっている.例えば,モバイルユーザの行動履歴が床面RFIDセンサで取得されるようになっており,デスクトップユーザはそれを閲覧することで,これまでのモバイルユーザの状況を把握することができる.また,デスクトップユーザに操作されていない間,ロボットは物理環境内を自動的に巡回しながら頭部のカメラで周辺を撮影するようになっており,デスクトップユーザはそれを閲覧することで,これまでの物理環境の状況を把握することができる.
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