研究概要 |
実証実験の実施 : 平成18年度に開発した「断片的な視覚情報をシミュレーション上で統合する機能」を具現化したシステム「QyoroView」の実証実験として, 一般ユーザがGPS付き携帯電話で撮影した写真を投稿できるウェブサイトを公開した. また, ユーザ問のどのようなインタラクションが写真を投稿するモチベーションにつながるのかを分析するため, 二つの大阪大学キャンパスを取り囲む全長約38kmの環状の道路を舞台にして実験を実施した. その結果, 近くにいるユーザ同士でこれからの予定・現在の進行状況・これまでの達成内容を共有することがユーザのモチベーションを刺激し, 各ユーザの行動を調整するのに効果的であることが分かった. また, コンテンツの生成に適した時間・状況・場所等の情報を共有することが, コンテンツ生成を阻害する要因の軽減に有効という示唆が得られた。以上の実験に加えて, 平成19年度に開発した「デスクトップユーザがモバイルユーザを支援するための機能」を具現化したシステム「TransUI」の実証実験として, システムを三箇所の研究スペースに設置して教員や学生が自由に利用できる状態にした. さらに, その内の一箇所を外部からアクセスできるようにし, 大阪駅前第3ビル16階のロボットラボラトリーを訪れる一般市民が大阪大学の研究室を遠隔訪問する実験を行なった.そして, このような遠隔訪問が研究紹介を行う説明者と訪問者との間のインタラクションに及ぼす影響を調べる実験を行ったところ, 据え置かれたカメラの映像を通して眺めるよりも, ロボットに搭載したカメラの映像を通して眺めるほうが, 説明者の存在感がより強く感じられることが判明した.
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