研究概要 |
ネットワークへの接続機能を有する汎用高速ビジョンプラットフォームの開発に関しては,これまで開発を行って来た高速ビジョンシステムVCS-IVに対して,新たなイメージセンサを接続可能とするための基板モジュールの開発を行った.従来開発して来た高速ビジョンシステムVCS-IVは,イメージセンサの画素ごとに集積された処理回路を用いた超並列処理により極めて高速な視覚処理が可能であったが,そのぶん高解像度化がしにくく,64x64画素の実装に留まっていた.本年度は,高速読み出し可能なイメージセンサを導入し,そこから読み出される画像データを外部FPGAでパイプライン処理することによって,640x480画素で200frame/s,640x96画素で1000frame/sの動作が可能な設計のシステムを目指し,イメージセンサ基板モジュールの実装を行った.また,このシステムと接続し,ネットワーク通信機能を実現するプロセッサ基板を導入し,通信の予備実験を行っている.また,高速運動情報の対応付けに関して,視覚センサと加速度センサのそれぞれから得られた情報の相関を計算することにより,物体の対応付けを行うためのアルゴリズムの開発を行った.3軸加速度センサから得られた時系列データに適切な前処理を施し,視覚センサが得た2次元画像上での変位の時系列データとの相関を計算し,高い相関が得られたものを同一物体とみなし,またその相関ピークの検出により両センサの時間同期を行う.このとき,視覚センサに対して加速度センサの座標軸の方向が未知であることが問題となるが,両者の加速度ベクトルのノルムの時系列を考えることによって,この問題を克服できる可能性があることを示した.さらに,開発したイメージセンサモジュールからの画像データを受信しプログラマブル画像処理回路に入力するためのインタフェースをVCS-IV内に実装し,動作の確認を行った.
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