研究概要 |
(1)場の重ね合わせと状態空間写像に基づくコントローラの設計 これまでに提案してきたアトラクタ設計法を応用し,場の足し合わせによって新たな運動を生成するコントローラの開発を行った.この方法は,ロボットの運動の変化が場の変化によってもたらせることに着眼し,既存のコントローラによる場の変化分を他のロボットのコントローラに足し合わせ,さらに,これらの整合性を保つ写像関数を求めるものであり,形状の異なるタップダンスロボットのコントローラ設計に応用した. (2)力学的特性を保存する状態空間写像を用いたコントローラ設計 力学特性の異なる二つのロボットに対し,時間の概念を含めた4次元力学解析を施すことで,二つの力学特性を行き来する状態空間写像を求め,これを用いた新たなコントローラの設計法を提案した. (3)機構的優位性を有するヒューマノイドロボットの設計 制御に有利なロボットの身体設計という観点から,二重球面股関節,足首受動関節を有するヒューマノイドロボットの設計・試作を行い,二重球面股関節の逆運動学解に基づいて,上体と脚の運動分離を示した. (4)非線形剛性機構を利用した柔らかさと硬さの両立 一般に,安全性の面から,ロボットに柔らかさを導入することが求められている.しかし,単なる柔らかさの導入は制御性能を阻害し,タスク実行を妨げる.そこで,本研究ではこれまでに提案した非線形剛性を有する機構を膝に組み込んだ四脚ロボットを用い,衝撃力の吸収のための柔らかさと運動遂行のための硬さの両立が実現可能であることを示した
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