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2008 年度 実績報告書

ユビキチン化封入体を形成する神経変性疾患におけるヒストンジアセチラーゼ4の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18680031
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

藤ヶ崎 純子  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60312021)

キーワード神経変性疾患 / ユビキチン / small ubiuitin modifier / 核内封入体 / 脊髄小脳失調症7型 / 網膜変性
研究概要

本研究はユビキチン化封入体を形成する神経変性疾患の発症に関わるメカニズムを解明し、その治療に結びつく新たな知見を得ることを目的とする。ユビキチン依存性蛋白分解に抵抗性である蛋白が凝集し、ユビキチン化封入体が形成される神経変性疾患の一つである脊髄小脳失調症7型(SCA7)の病態解析を行った。SCA7は有効な治療法のない、進行性の小脳失調、網膜変性を特徴とする遺伝性神経変性疾患である。SCA7の原因遺伝子産物である変異ataxin-7は異常に伸長したグルタミン鎖を持ち、病態下で発現した難溶性の変異ataxin-7は神経細胞の核内で凝集しユビキチン化封入体を形成する。神経系細胞においてユビキチン依存性蛋白分解を阻害した場合に形成される核内封入体がユビキチンモチーフ蛋白であるsmall ubiquitin modifier(SUMO)蛋白のうちSUMO1/2の両アイソフォームを含有する知見を得たことから、SUMO結合による翻訳後修飾(SUMO化)が異常ataxin-7の分解過程に影響を与えると仮定し、SUMO化部位に変異を導入した変異ataxin-7の細胞内強制発現実験を行った。結果、ataxin-7にはSUMO1/2の両蛋白が結合し、それによってataxin-7の分解が促進されることを新たに見いだした。SUMO化の促進により変異ataxin-7の細胞内蓄積を抑制することが、SCA7の新たな治療戦略に結びつく事を示した重要な知見である。加えて、SCA7細胞モデルの遺伝子発現解析を行い、異常ataxin-7の発現に連動して、網膜に特異的なカルシウムチャンネル蛋白の発現が抑制されることを見いだした。SCA7の重篤な症状の一つである網膜変性の病態に関連する新しい分子標的を同定したことは、SCA7を含めた難治性の網膜変性を伴う疾患の病態解明に大きく寄与すると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] プロテアソーム阻害により神経系細胞に形成されるUbiquitin-SUMO陽性構造物と核内ドメインとの関連2008

    • 著者名/発表者名
      藤ケ崎純子, 他
    • 学会等名
      第49回日本神経病理学会総会学術研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-05-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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