研究概要 |
本研究課題では、スポーツにかかわる非定常流体力を風洞実験により測定し、遺伝的アルゴリズム(GA)による多目的最適化により、新たなスポーツスキルやスポーツ用具の開発を目指している。本年度は、ラグビーゴールキックを模擬した実験:回転するラグビーボールに働く非定常空気力を測定し,さらにGAにより、最適な蹴り出し条件を求めた。また、ゴルフ・ドライバーヘッドの姿勢角依存性も実験的に調べた.以下、具体的に説明する。 ラグビーゴールキックの最適蹴り出し条件 空カデータを基にGAによる最適化を実行し、最適なゴールキックの蹴り出し条件を明らかにした。その結果,従来から指導されてきたフック系のゴールキックではなく,飛翔軌跡は直線的であること,すなわち蹴り出し条件は,角速度ベクトルと長軸及び速度ベクトルが直交すべきであることが明らかになった. ゴルフ.ドライバーヘッドの姿勢角依存性 商用ドライバー3種類の空力特性を実験的に調べた.その結果,ボール衝突時のフェイス向きでは,抗力の差は無視できる程度であるが,ダウンスイング時に対応するフェイス向きでは,クラブによる差があることが明らかになった.これは,抗力が投影面積に加えて,圧力抵抗,つまり境界層のはく離位置に依存するためである.
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