研究概要 |
本研究では筋,骨,軟骨,脂肪などの間葉系組織の分化についてPGC-1αを中心にメカニカルストレス(物理的刺激)によるその制御を検討する.具体的な研究目的は以下の4つである. 1.メカニカルストレスによってPGC-1α遺伝子は活性化されるか 2.メカニカルストレスによるPGC-1α遺伝子活性化のシグナル伝達経路の特定 3.メカニカルストレスによるPGC-1α遺伝子活性化のシグナル促進・阻害による表現系の変化 4.個体レベルでの上記の表現系の変化 平成19年度は主に上記2と3について検討した.「メカニカルストレスによるPGC-1α遺伝子活性化のシグナル伝達経路の特定」に関して,新たにPKD-Hdac5を介した経路が重要であることがわかった(投稿中).現在は,培養細胞におけるPGC-1αのアッセイにプラスミドベクターを使用しているが,分化した筋や軟骨細胞への導入効率が低いため,レポーター用のレトロウィルスベクターおよび蛍光タンパクを付加したPGC-1α発現用のレトロウイルスベクターを構築中である. 「メカニカルストレスによるPGC-1α遺伝子活性化のシグナル促進・阻害による表現系の変化」に関して,PGC-1αを制御している可能性のあるマイクロRNAの解析を行った.その過程で物理的ストレスに対して非常に興味深い応答をするマイクロRNAを同定した.現在,このマイクロRNAの発現ベクターおよびLNA化したブロッカーを用いて細胞レベルおよび個体レベルでの表現系の変化に関する研究を進めている.
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