研究課題
課題1 : 脱皮率法による成長過程の解析脱皮率法を使った飼育実験を追加し、前年度までのデータを補強して解析を行った。体重は指数関数的に増加していくものの重い個体のみが脱皮していたことから、ある閾値を超えないと脱皮が進まないことが示唆された。課題2 : 成長期における摂餌生態の解明前年度の実験結果から更なる解析を進め、摂餌と成長とのエネルギー収支について検討した。対象カイアシ類は珪藻や渦鞭毛藻などの植物プランクトン、繊毛虫などの微小動物プランクトンだけでは代謝や成長を満たすことができず、かなり大きな鎖状珪藻や糞粒なども餌としていることが示唆された。また、これらカイアシ類の摂餌生態は春季ブルームの終焉や中深層への炭素輸送に少なからず影響を与えていることも示唆された。課題3 : 成長速度のモデル化飼育から求められた脱皮時間は、水温や植物プランクトン濃度と弱い相関を示した。しかし、この結果は野外個体群の解析結果と一致せず、本研究では対象カイアシ類の成長を支配している環境要因を解明できなかった。課題4 : 成長解析法の検討対象カイアシ類は脱皮時間が長いこと、同じ個体群を追跡するのが困難な外洋域に多いことから、天然コホート法、人工コホート法、脱皮率法は成長解析法として不向きであることが示された。核酸やタンパク質を使った解析法では、個体の栄養状態や休眠状態を判別することができ、成長解析法として利用できる可能性があることが示された。
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