研究課題
代表者らは、フォトレジスト溶液を噴霧して成膜するスプレーコーティング技術を独自に開発してきた。立体サンプルに均一な成膜ができると、適用が平面に限られるフォトリソグラフィ加工が立体でも可能になる。この発展が見込まれる3次元フォトリソグラフィ技術を先駆けて活用し、高機能デバイスを開発する。現在はMEMSデバイスの多くがドライ垂直エッチングによって製作されている。平成18年度に関西大と開始した研究(MOSFETと集積化されたMEMS加速度センサ開発)からも、垂直壁構造に成膜することへの期待が大きいことを認識した。プロセスが安定するよう、スプレーコーティングの技術的蓄積を進めた。サンプルの高速走査によって均一性が向上する効果を見出した。解釈が難しいが、スプレー気流の非線形もしくは複合的な効果と考えられる。他にも相談を受けたため、個々の具体的なデバイス製作が可能となることを方針に進めた。香川大学の大平教授ら(立体配線への応用)、東京応化工業(3次元ICへの応用)との共同研究を始めた。個々に異なる応用デバイスを狙ったものである。これら大学や企業の研究者と協力しながら、成膜と露光技術の両方を推敲した。基礎研究も平行して進めた。成膜評価は、サンプルの断面や、斜めSEM観察に頼っていた。均一性にばらつきがありため、観察場所により測定者の主観が入る恐れがある。成膜条件の変更で生じる僅かな変化を定量的に評価することは難しかった。このため、サンプル上に堆積したレジスト質量が評価に利用できないかを検討した。結果、気流速度によって微粒子の付着確率が変化することが明確になった。加えて、サンプルの走査速度とレジスト付着量は基本的には反比例の関係があること、その上で立体サンプルには僅かな付着量変化を生じることが分かった。
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電気学会論文誌E 128-E, No.3
ページ: 102-107
電気学会論文誌E 127-E, No.3
ページ: 153-159
Japanese Journal of Applied Physics 46, No.9B
ページ: 6449-6453
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