申請計画に基づき、マルチファンクショナルCMOSセンサを設計・試作し、動作検証を行った。特にUV/VIS光測定および偏光分析機能について詳細な検討と機能実証に成功した。 CMOSデバイスプロセスにおける配線層を利用して、アクティブビクセルセンサ(APS)アレイの直上に微細ワイヤグリッド構造を搭載した構造のセンサにおいて、入射光の偏光に応じた信号強度の変化を検出することに成功した。スクロースおよびメントール溶液を用いた機能評価においては、分解能0.05度での旋光度計測に成功した。 さらに、マイクロリアクタへの組み込みと機能検証を行った。SiウェハをDeepRIEプロセスによって加工し、CMOSセンサと適合するバッチ型リアクタを製作し、送液機能を実現し、さらに化学種の分析を実施することが可能となった。濃度の異なるスクロース溶液を順次注入し時間経過とともに旋光度が変化する様子などの観察に成功し、in situ不斉度計測機能の基礎的な実証に成功した。
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