研究課題
我々は、ヒト遺伝子上流1kbの仮想プロモーター領域の配列の進化的変遷とプロモーター活性の相関に関する実験的解析を行っている。これまでに、ヒトプロモーター領域約450種類、ランダムに抽出したゲノム領域250種類、マウスについてその対応する遺伝子50種類について収集したプロモーター活性データを用い、プロモーター活性とプロモーター配列の相関関係の検証を行ってきた。活性の進化的変遷を比較する一連の実験において、少なくとも一群の遺伝子については予想される以上の相関の低さの原因が不明であったことから、測定系において、用いているレポーター遺伝子の翻訳レベルでの発現調整の効率の影響が懸念された。そこで今年度、これまでのベクター系を改変し、(Internal Ribosomal Entry Sequence)を用いたレポーター系に移行することで、より正確に一次配列の転写活性可能を測定できる系を構築した。現在までに、保有するほぼ全てのクローンについて、ベクター系の改変が終了している。我々は同時にプロモーター配列中にランダムな突然変異の導入系の開発を行った。配列改変によるプロモーター活性への影響を評価するためには、迅速簡便に配列中にランダムに塩基置換を導入する方法の開発が必須である。我々は、従来のPCRを改編した系を利用した実験系を用いることにより約5%程度の突然変異を簡便に導入する方法を開発した。現在、保有するプロモータークローンに対して突然変異を導入したクローン群の整備もあわせて行っている。
すべて 2007
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DNA Research 14
ページ: 71-77