研究課題
平成18年度は、以下の項目について研究を行った。(1)収集した発現プロファイルデータの統合本研究では、複数の実験から得られた発現プロファイルデータを扱うため、データフォーマットが異なる複数のデータの統合を行った。細胞周期関連遺伝子群間の相互作用を解明するためには、実験条件等を考慮し、複数の実験結果の中から、実際に細胞周期中に起こる発現変動を測定したデータの選択を行った。デーフォーマットの違いや、サンプル間格差があるため、これらのデータから解析に必要な部分を抽出し、Z変換によってサンプル間格差を除きデータ統合を行った。(2)遺伝子選択を行う統計的手法の開発ゲノムレベルで測定された発現プロファイルデータから、細胞周期の各段階において、特異的に発現変動している遺伝子群の選択を行った。本研究では、遺伝子選択の標準となる統計的手法の確立を目指していることから、前段階でZ変換を行ったことから、標準偏差を閾値とした遺伝子選択手法と、標準正規分布における確率密度関数を元にした遺伝子選択手法の開発を行った。(4)遺伝子発現の因果性を解析する統計的手法の開発本研究の準備としてグラフィカル・ガウシアン・モデルは、遺伝子間相互作用の推定に有用であると考えられた。そこで、このモデルをさらに発展させ、因果性までを推定することができる統計的手法を開発として、既知の情報を考慮したグラフィカル連鎖モデルの適用を考えた。(5)開発した統計的手法の発現プロファイルデータへの適用グラフィカル連鎖モデルを、出芽酵母・分裂酵母の細胞周期に関連した発現プロファイルデータに適用し、細胞周期における遺伝子発現の因果性推定を行った。(6)推定した因果性の強弱を評価する統計検定グラフィカル連鎖モデルでは、相互作用の強さが偏相関係数という数値データとして得られた。よって、相関係数のt検定を行い、有意に強い因果性の抽出を行った。
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Proceedings of the Algebraic Biology 2007 (in press)
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EURASIP Journal on Bioinformatics and Systems Biology (accepted)