研究課題
ヘパラナーゼをヒト培養細胞から精製し、それを用いて新たなヘパラナーゼ結合性タンパク質の同定を行った。さらにヘパラナーゼ誘導性のがん細胞遊走能亢進の責任分子を同定することを目的に研究を実施した。具体的には、 1)すでに樹立してあるヘパラナーゼ過剰発現細胞を使用し、ヘパラナーゼタンパク質の精製法を確立した。 2)精製したヘパラナーゼと結合するタンパク質群をプロテオーム法で比較し、網羅的に解析した。 3)網羅的解析により得られたヘパラナーゼ結合タンパク質の阻害剤などを用いて、ヘパラナーゼ誘導性の転移能に与える影響をin vitroで解析した。 4)ヘパラナーゼのC末端側にある疎水性領域が、ヘパラナーゼの細胞内輸送、引き続き起こる分泌、活性化、さらにヘパラナーゼ誘導性のがん細胞の遊走能亢進に必要であることを明らかにした。さらに、細胞外マトリックスの調節因子であるRECKが、がん転移に深く関与するマトリックスメタロプロテアーゼ-9の発現を、mRNAレベルで負に制御していることを明らかにした。そして、そのmRNA量減少はFra-1とc-JunがMMP-9のプロモーター領域に存在するTRE配列に結合する量を減少させ、結果としてプロモーター活性が低下するためであることを明らかにした。
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