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2006 年度 実績報告書

西アフリカにおける精霊の森を含む景観の歴史的成因と生物・文化多様性の保全

研究課題

研究課題/領域番号 18681036
研究機関京都大学

研究代表者

山越 言  京都大学, 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (00314253)

キーワード森林利用 / 森林保全 / 野生動物 / ギニア / 鎮守の森 / チンパンジー / 映像資料 / 熱帯林
研究概要

初年度は、ギニア共和国南東部森林地域における現地調査および、研究協力者によるエチオピア南西部森林地域における現地調査を行った。ギニアにおいては、70年代以降、霊長類研究の蓄積のあるボッソウ村で、チンパンジーの生息地となっている精霊の森を対象に、樹種構成や生息密度、分布に関する森林生態学的計測を行った。この調査により明らかになった基本的な森林の記述的情報により、周辺の森林との種構成の相違や、生育条件の特定を行い、この小森林が成立した歴史を再構成するための基本的な資料を得ることができた。ほぼ同様の調査をエチオピア南西部でも行った。今後、両者の比較を注意深く行うことで、現在の森林構成の差異に寄与する自然条件と文化的条件の切り分けを行っていく予定である。
また、1960年代にオランダ、アムステルダム大学が、ギニア、ボッソウに派遣した人類進化研究チームが残し、現在はフィルムの劣化によって閲覧が不可能な16mmフィルムの電子化を、ライデン自然史博物館に依頼して行った。この映像資料には、1960年代のボッソウにおける精霊の森の状態に関する画像情報が含まれており、現在の森林の状況から遡及的に推測できる過去の森林構成を比較評価するための参照点となりうる。今後この映像資料の分析に加え、住民に過去の森林利用や保全について聞き取り調査を行うことで、この精霊の森の近代史を再構築することが可能になると期待している。
このような、フィールド調査と歴史資料を複合的に分析することで、人々による過去の環境利用を差育成する研究手法と最新の研究成果について、国内外の精力的な研究者を招聘し、11月に研究会を行った。本計画の成果を世界的な研究潮流に位置づけるために、非常に有益な議論を行うことができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 野生チンパンジーとの共存を支える在来知に基づいた保全モデル-ギニア・ボッソウ村における住民運動の事例から-2006

    • 著者名/発表者名
      山越言
    • 雑誌名

      環境社会学研究 12

      ページ: 120-135

    • 査読あり

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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