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2007 年度 実績報告書

学習につまずきのある子どもへの多層指導モデル(MIM)開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18683008
研究機関独立行政法人国立特殊教育総合研究所

研究代表者

海津 亜希子  国立特別支援教育総合研究所, 企画部, 研究員 (00342957)

キーワード学習のつまずき / LD(学習障害) / 通常学級 / アセスメント / 読み書き / 指導法 / 早期介入・支援 / 特殊音節
研究概要

学習が進んでいくにつれ,つまずきが顕在化する子どもを,つまずく前の段階で把握するためのアセスメントMultilayer Instruction Model-Progress Monitoring(以下MIM-PMとする)の開発を行った。これは,全ての学習領域に影響し得る早期の読み能力,特に特殊音節の正確で素速い読みに焦点を当て,計2分で実施するテストである。また,一度でなく,継続的に実施することで,真の能力を発揮する機会が多く得られるとともに,子どもの伸びについても把握できる。1年間を通じて参加したのは初年度は,小学1年7クラス計208名,2年生4クラス計144名,比較のための統制群が1年生31クラス790名,2年生30クラス759名であった。MIM-PMと標準化されている読書力検査の得点との相関を調べた結果,rs≧.50の値がみられた(ps<.01)。また,参加群の1学期中盤のMIM-PMの結果と3学期の結果との間にはrs≧.60の値がみられ(ps<.01),1学期中盤という早期の時点で,学年末の読み能力の状態を予測できる可能性が示された。参加した担任に行った質問紙調査では,82%の教員がMIM-PMの結果を指導に活かすことができるものだったと回答した。
さらに,通常の学級における学習につまずきのある子どもへの多層指導モデル(MIM)を用いて小学1年生7クラス計208名に行った特殊音節の指導の効果が,学習につまずく危険性のある子どもをはじめ,その他の異なる学力層の子どもにおいてもみられるかを統制群小学1年生31クラス計790名との比較により行った。年度末に,参加群,統制群に対して,読み書きに関する諸検査を実施した結果,参加群が高く,有意差がみられた。あわせて,参加群の担任教員が行った授業の変容を複数観察者により評価・分析した結果,MIM導入後では,指導形態や内容,教材の多様化がみられ,クラス内で約90%の子どもが取り組んでいると評定された割合がMIMによる指導前と比較して,2倍近くにまで上昇していた。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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