研究課題
本課題の内容は、すばる望遠鏡のMOIRCS装置に、専用狭帯域フィルターを作成して搭載し、z=2.21とz=0.81の二つの時代において、星形成輝線銀河を系統的に探査し、星形成の活動性を時間と環境の関数として定量化することである。MOIRCSの広視野を生かしたユニークな観測的研究である。H19年度前半は、初年度に作成したMOIRCS狭帯域フィルターの試験観測を行い、フィルターの性能に問題がないことを確認した。また、背景光の量を測定し、それを元に感度を見積もり、今後の観測計画の策定を行った。そして実測された感度に基づき、年度後半にすばる望遠鏡競争利用観測への観測提案を行い、H20年度の春に合計7晩の観測時間を獲得することに成功した。しかし、MOIRCSのトラブルのため、有効な視野が半分になってしまったため、観測はこれだけでは十分ではなく、今後も継続して観測時間を獲得し解析を行ってゆく必要がある。本研究は、ダス卜吸収の強い銀河の星形成率を測定したり、星形成の材料となる分子雲の量を輝線から測定したりできるALMA(Submm〜電波)との連携を視野に入れているため、そのようなすばるとALMAの連携のため、ALMA・野山グループとの協議を行った。またあかり衛星の中間赤外線での広視野観測で得られたz=0.81銀河団にあるダスト吸収の強い銀河の分布や性質の研究を行い、それらが比較的銀河団の外側の中間密度領域を好んで存在することを示唆した。この結果は、本課題のHα輝線銀河のサーベイと大いに関係しており、そのデータを解釈する上で、相補的な役割を果たすことが期待される。また、本年度は、本課題の宣伝およびあかり衛星の結果の公表を国内外の複数の研究集会で積極的に行った。
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