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2007 年度 実績報告書

超伝導を用いた低周波重力波検出器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18684005
研究機関東京大学

研究代表者

安東 正樹  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (90313197)

キーワード重力波 / レーザー干渉計 / 精密計測 / 超伝導 / 磁気浮上
研究概要

本研究では,1Hz程度の低周波数帯にまで感度を持つ重力波検出器を地球上で建設し,この周波数帯での世界初の観測を行なうことを目標としている.開発される検出器は,超伝導体で浮上された2つのマスの差動回転変動をレーザー干渉計で精密計測するものになる.これよって,ブラックホールの準固有振動からの重力波の検出,もしくは,そのような重力波イベントの頻度に上限値を与える事を目指す.
本研究で開発される検出器は,重力波による変動を受ける試験質量を超伝導体のピンニング効果(ピン止め効果)によって浮上させ,その回転変動を精密計測する,という特徴を持っている.この装置では,マスの回転方向には復元力や摩擦力がほとんどないため,低周波数帯の微小変動まで検出することが可能なのである.またピンニング効果を用いているため,マスを安定に浮上させるための制御が不要になり,より安定な観測が可能になっている.
研究2年目となる平成19年度は,超伝導による浮上マスのプロトタイプの動作検証実験を行い,その動作確認と基本測定を行なった.超伝導冷却システムとしては,低振動のパルスチューブ冷凍機を採用し,さらにその振動が超伝導体の振動を引き起こさないように,ヒートリンクを防振するシステムを製作した.その結果,冷凍機を動作させ,超伝導体を60Kの低温に保った状態でも地面振動より小さい振動レベルを達成することに成功した.また,この超伝導状態に保たれた状態で,真空槽内で試験マスを浮上支持し,その変動を計測した.その結果,安定な浮上保持と,制御による動作点保持,マイケルソン干渉計を用いた回転変動の精密計測などの成果を得ることができた.
得られた回転変動の測定精度は,10^<-10>rad/Hz^<1/2>程度であり,国内外で行われているねじれ振り子実験に匹敵する感度が達成されている

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Current status of Japanese detectors2007

    • 著者名/発表者名
      Tatsumi D, Takahashi R, Arai K, et. al.
    • 雑誌名

      CLASSICAL AND QUANTUM GRAVITY 24

      ページ: S399-S403

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A systematical veto by all monitor signals in a gravitational-wave detector2007

    • 著者名/発表者名
      Ishidoshiro K, Ando M, Tsubono K, et. al.
    • 雑誌名

      CLASSICAL AND QUANTUM GRAVITY 24

      ページ: S405-S413

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Theoretical approach to thermal noise caused by an inhomogeneously distributed loss: Physical insight by the advanced modal expansion2007

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto K, Ando M, Kawabe K, et. al.
    • 雑誌名

      PHYSICAL REVIEW D 75

      ページ: 082002

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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