第1に荷電粒子の電場により屈折率変化が生じている結晶中を透過したレーザ光を、レンズにより回折干渉させ、その回折像をレンズのフォーカル面で捉えるための光ファイバー束の開発を行った。この光ファイバー束は、内視鏡用のイメージ転送に使用されているファイバー束の中心に配置することにより、レンズ焦点に集中する高強度の光を閉じ込める仕様になっている。年度末に試作品ができあがり、現在、その閉じ込めの具合を確認している。 上記ファイバー束の開発を並行して、予備実験も行った。1nA、4keV、50μm直径の直流電子線を、LiNbO3結晶の表面近傍300μmに配置し、準静的な線状の屈折率変動イメージを生じさせ、その結晶を透過した連続レーザー光を、レンズ焦点面上で観測した。この観測では、焦点に集光する高強度部分を、直接ファイバー束に入射させることなく、回折像の部分的なサンプリングをして、その回折パターンの有無を調査した。その結果、数値シミュレーションで期待されるパターンが定性的に確認できた。この実験結果については、The 11^<th> Vienna Conference on Instrumentationという国際会議にて、"Nondestructive Measurement of charged particles by laser diffraction readout"というタイトルにて発表した。
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