荷電粒子電場の影響を含む透過光が、レンズ焦点面上に形成する回折パターンを光ファイバー束によりサンプリングするため、昨年度開発した吸収体を中心に含む光ファイバー束を使用して、レンズ焦点に集まるバックグランド光の吸收を試みた。しかし、実際には吸収体を含まない円環状のファイバー領域(シグナルに相当する回折パターンが期待される領域)にも無視できない漏れ光が観測された。そこで、焦点面上のほぼ全ての領載をファイバー束で観測することを一旦断念し、高強度の焦点光部分をほぼ完全に下流へ逃して、焦点面上のシグナルが現れる約4分の1領域:だけを部分的に光ファイバー束でサンプリングすることにより、漏れ光の問題を実効的に回避する手法を考案した。この手法により、LiNbO_3結晶表面に荷電粒子電場の電気光学効果により生じたわずかな位相変動を透過レーザー光のレンズ焦点面上の回折パターンの変動として観測できた。具体的には、直径が50μm、4keV、1nAの直流電子ビームに対して、結晶表面を300μm程度離して配置した状態での観測を行った。この結果は、原子核物理国際会議(INPC2007)で講演した。その後、300μm程度離れた領域で、電子ビームのフレア部分の微弱電流による影響がないこと(真の非破壊型測定であること)を証明するため、マクロチャンネルプレート(MCP)による電子プロファイルモニターを導入するための真空容器の設計と製作を終えた。加えて、レンズ焦点からより離れた微弱な回折パターンおよびMCP蛍光面の微弱光を2本め光ラァイバー束を経由して同時に観測するため、増幅機能付2次元カメラの機種選択と購入手続きを完了した。
|