主として以下の4項目について研究を進めた。 1) 非破壊的な検知であることを保証するために、電場源としての直流電子ビームのプロファイル(特にフレア部分)を、マクロチャンネルプレート(MCP)を用いて測定するためのシステムを構築した。 2) フーリエ変換像撮影用カメラを昨年度購入した増幅機能つき2次元カメラに置き換え、同時に、LiNbO 3結晶をDKDP結晶に置き換え、透過光ビームのフーリエ変換像を同カメラで実測し、DKDP結晶のワイヤー電極による静電場応答を確認した。 3) DKDP結晶の電場応答が最大になる構造相転移温度下でフーリエ変換像を撮影するため、結晶用の冷却系を真空容器中に構築した。 4) 荷電粒子非破壊測定の骨子は、結局のところ如何に小さな局所屈折率変動を検知できるかという技術であり、これを真空中の高強度電磁場がもたらす真空の誘電率変化測定に利用できることを思いついた。そのため本研究で開発した手法の基礎物理実験への具体的な応用案を公表した。 現在、低温環境下でのDKDP結晶の電場応答を確認中であるが、相転移点に至る以前の冷却過程において、結晶が破損するなどの問題が生じている。それを解決すべく冷却方法を再検討している。
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